神ギ協

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2020/10/31 発行

（編集責任者　飯田敏史）

神ギ協 オーディション合格者によるデビューリサイタル　　　　　　　　　　　　　　　

2020 年 9 月 13 日（日）神奈川県横浜市磯子区民センター「杉田劇場」で昨年の第 48 回神奈川新人 ギタリストオーディション合格者によるデビューリサイタルが開催されました。コロナ禍で主催事業の 中止・延期・変更が続く中、ホールでの演奏は今年度初の開催です。 　開催に当たっては様々な感染症対策を行いました。演奏会場を例年のリハーサル室「コスモス」 （60 席）からホールの杉田劇場（300 席)に移し、密を回避するために席の半分を埋めた約 150 席での 開催です。来場は予約制とし、開演直前までホールの出入り口を開けて換気を行うなど可能な限りで万 全を尽くしました。また対策があっても来場をためらう方がいらっしゃる点を考慮し、当日の演奏を 動画撮影し後日 Youtube にて配信することも初めての試みとして行います。（動画は編集の後、協会 用のアカウントより配信予定です。） 当日の来場者は 50 名程度でした。300 席のホール規模では非常に贅沢な使い方で、いつも以上によ く音が響きました。愛好家の方々にとっても久しぶりに会場でのコンサートだったためか、「久しぶ りに生の演奏を聞けてよかった」の声も聞こえました。 プログラムと演奏の概要は以下の通りです。 1.高橋 ひまり(たかはし　ひまり) ・魔笛の主題による変奏曲（F.ソル） ・大序曲（M.ジュリアーニ） 2.渡辺 良介(わたなべ　りょうすけ) ・在処（渡辺良介） ・ムーア人の織物による幻想曲（J.アルカス） ・そのあくる日（R.ゲーラ） 3.渡邊 泰敏(わたなべ　やすとし) ・カヴァティーナ組曲 (A.タンスマン) 4.杉田 文(すぎた　あや) ・３つの小品（J.ロドリーゴ） ・アルハンブラの思い出（F.タレガ） 5.合奏 ・アリアとホーンパイプ（G.F.ヘンデル／高久　編） ・ラデッツキー行進曲（J.シュトラウス／高久　編）

高橋さんはコロナ影響で学校生活が不安定な中で2 つの難曲に取り組み、溌剌とした演奏を見せて くれました。渡辺(良)さんはアコースティック・ギターでの演奏活動もされる奏者ですが、響の美しい オリジナル作品とクラシックを織り交ぜたプログラムで独自の世界観を作っていました。渡邊(泰)さん はベテラン奏者らしく弾き込まれたカヴァティーナ組曲を好演しました。杉田さんはロドリーゴの難 曲を安定した技術と表現力で弾き切った上、美しいトレモロでタレガの名曲を奏で、 聴衆を魅了しま した。 　今回の合奏は事前の練習が困難な状況だったため、当日に合わせるのみで本番を迎えました。事前 に十分な準備をする余裕はなかったものと思慮しますが、不安を感じさせない安定したアンサンブル で、出演者 4 名の音色や個性の違いが垣間見える演奏でした。 終演後は例年、出演者のギターケースをステージ前に置いて来場者に「心付け」を入れて頂くよう お願いをし、出演者にお渡ししています。今回はホール内ではなく受付周辺に箱を用意させていただ きました。その結果例年よりも多くのお心づけが集まり、出演者に喜んでいただくことができました。